こんにちは、えすみんです。
5月から新しい仕事を始めたら、ブログを書く余裕がなくなりました(笑)
一万円選書に当選し、その本の感想をちょっとずつ書いています。
一万円選書については、こちら。
今回は、『トリツカレ男』いしいしんじ著
作者は聞いたことあるようなー、でもこの本は確実に知りませんでした。
タイトルから安倍公房の箱男を連想してしまったんですが、違いましたね。
主人公ジュゼッペは、何か夢中になるとトリツカレたように、極めるところまでいってしまうんですね。いろいろなものにトリツカレていくわけなんですが、最終的には1人の女の子にトリツカレるという。その女の子のために、なんだってしてしまうっていうお話。ざっくり言うと恋物語になるのかな。
女の子のためになんでもするんだけど、今までトリツカレたものがとても役に立っていくんです。そして、何がすごいって、ジュゼッペは女の子からの見返りを求めていないということです。
無償の愛って言うんでしょうか。
なかなかできないですよね。特に今の世の中、利己主義ですし。
親の子に対する愛情がそうなのかな?と漠然と思ったのですが、果たして自分は、子どもに対して、そんな風に見返りを求めずに、愛情を注げているだろうかと、疑問を持ってしまいました。
やはりどこかで、子どもたちが大きくなったときに、自分に火の粉がかからないようにしたいとか思ってしまう時点で、無償の愛ではないんじゃなかろうか。
親としてどれだけのことができるかと考えたときに、ジュゼッペのようにはできないなーと思ってしまったわけです。
ただの恋物語だからと読んでしまえばそれだけなんですけど、長男に手こずっている現実とどうしても重ねてしまうんですよね。
だから、この本が選ばれたのかなと思います。
よかったら、お手にとってみてください。